春の恵みに感謝して ― たけのこづくしの一日
- ひより
- 4月28日
- 読了時間: 2分
4月17日、春の陽気に包まれるなか、私たちの施設にうれしい贈り物が届きました。地域の方から「よかったらみんなで使ってください」と、朝掘りの筍をたくさん寄付していただいたのです。掘りたての筍は、まだ土の香りをまとい、春そのものを抱えているような存在感でした。
せっかくの新鮮なたけのこ。せっかくなら、皆で楽しもうということで、急遽「たけのこデー」を開催することに。午前中は、利用者の皆さんと一緒に「たけのこの絵」を描く時間を設けました。大きくてしっかりした形のたけのこを前に、皆さん真剣な表情で鉛筆を走らせたり、色鉛筆で優しい茶色や緑を重ねたり。ひとつとして同じ絵はなく、それぞれの感性がにじみ出た素敵な作品ができあがりました。

次は皮むきの作業。たけのこは皮をむく工程からもうすでにワクワクが始まります。「昔はよう家で剥いたなぁ」「ここの皮が固いねんで」と、おしゃべりしながら手を動かす皆さんの様子は、まるで家族のよう。下処理をしながら、昔話や春の思い出が自然と飛び交い、施設全体がどこか懐かしい空気に包まれました。

午後には、調理スタッフが心を込めて「たけのこご飯」を炊き上げてくれました。炊きたてのたけのこご飯は、ふわっと香る春の香りと、たけのこのやわらかな歯ごたえが絶妙で、皆さんから「美味しい!」「春を食べてるみたい!」と笑顔があふれました。中には「おかわりいい?」という声もちらほら。普段より食が進んだ方も多く、お腹も心も大満足の昼食となりました。
こうして、たけのこをきっかけに絵を描き、作業をし、一緒に食事を楽しむという、まさに五感をフルに使った一日。地域の方からのあたたかな寄付が、私たちに豊かな時間を運んでくれました。春は出会いと別れの季節でもありますが、こんなふうに人と人とのつながりを感じられる時間は、何よりの宝物だと改めて思います。
これからも、季節の恵みをみんなで楽しみながら、日々の暮らしを大切にしていきたいと思います。寄付してくださった方に心からの感謝を込めて――。ありがとうございました。
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